絵の悩みに関するあれこれを断片的にでも記録。(それぞれを一つの記事にするのは困難なため)
ひとまず、近況でメモした順に6個のテーマ。
解決策っぽいものはちょっと文が長いのでご理解。
(1) 精神的な悩みを語れる人は少ない
課題が画力だけではなく、性格や価値観にも目を向ける必要がある。
画力の向上やノウハウは溢れているが、画力以外の悩みが根本的な原因であることは多くの場合語られない。
【2021.9.8 追記】
「作品を公開するのが怖い」とか「恥ずかしい」とか、そういった悩みをプロにしたら彼らは答えられるだろうか。
描くのが好きだった人は、そういう悩みとは無縁に思える。
(1-A) 自信や自己肯定感が足りないハンデ
上手い人やプロのアドバイスを実践することですら、難しい。
「失敗するかもしれないけど、とりあえずやってみよう」という姿勢は、誰でも持ってるものではない。
(2) 下手な自分を晒したくない
具体的に言うと、「今の実力を『自分』だと思ってほしくない」。
今の自分は理想の自分ではないから。
どうせ何かをきっかけに見放されるなら、いいねやフォローされたくない。
【2021.9.8 追記】
理想とはちがう自分を隠したい。
名前を変えて、自分を許せるようになったら元に戻したいと思うくらい評価を恐れている。
世の中広いもので、意図的に文字化けを発生させるツールを見つけたので使った。
【2021.9.10】
自分を隠したい・見られたくない理由を言語化できた。
「一生懸命考えたハンドルネームが傷つくのが嫌」だったからだ。
また、公開することで作風や作者のイメージが固まって、それが理由で人が離れるのが嫌だという想像をする。
(2-A) 自分が自分に一番厳しい
(言われたことはないが)他人に下手だと言われても気にならない。
自分が下手なことは、自分が一番理解しているから。
それよりも、自分の絵の違和感や欠点ばかりに目がいって、いつまでも合格判定を出せない。
(2-B) 素直に完成させられない
肥えた目が、画力に追いついていない。修正が終わらない。
チェック項目(絵の見栄えや情報量、正確な人体構造や色選び)のすべてをクリアしたい。
(2-B’) 作品の公開は通らなければならない通過点
作品を公開することはRPGにおけるボス戦のようなもので、イベントを起こさずに次には進めない……という主張。
やっている行為は「レベル上げ」でも、非効率な経験値稼ぎは「レベルが上がるまで時間がかかる」。
この後の< (6) 恥をかき慣れてない」> で書いたように、「ボス戦に挑むためにはどうしたらいいんだろう」を考えるのではなく、「ボス戦に挑む」が正解なんだろう。
(3) 他人を勘定に入れない
「描きたいものを描いて、公開して、次に進む」のが理想のサイクル。
他人の目を気にすると、描く前も、描いている最中も、描いた後も悩まされることになる。
(3-A) 非公開作品をつくる
以前は「公開しない作品をつくるのは意味がない」と思い、これっぽっちもやる気がなかった。
きっかけはプロが提示した練習法だが、ずっと停滞していたから「自分がしたことがない方法でないと前に進めない」と採用してみることにした。
非公開なら、加工模写も二次創作も自由にできる。
他者にどう思われるか、気にしなくていい(といっても自分が一番厳しいが)。
(4) 自分が上手くなる未来を想像できない
数年程度の練習では大した成果を得られず、「今以上に大変な努力をしなければならないのか」という嫌気。
時間は有限で、今のまま上手く慣れずに一生を終えるのかと絶望する。
上達を実感する前に不安が何度も襲ってくる。
(4-A) 練習をやめるのが怖い
自分の絵に自信がないから、練習をやめられない。
描かなければ上手くなれない。
(4-B) 出来ることをやるしかない
理想の自分が1ヶ月や半年、1年で手に入るなんて思えない。
だからこそ、今出来ることをやるしかない。
現実はつらい。明らかな実力差や未熟な自分と向き合わなければならない。
(5) アイデアスケッチで自己表現・自己主張する
以前は、描きたいモチーフやシチュエーションを言語化できても、それをキャンバス上で「どんな絵にすればいいかわからない」ことを悩んでいた。
A4のスケッチブックを購入したのをきっかけに、これらのアイデアを形にするようになって30日が経った。(8/22時点。上のネガティブなメモよりも後)
結論から言うと、これは成功している。楽しい。
シャーペンの青芯で、自分が描きたいものを描く。
紙質が思った以上に凸凹していてシャーペンでは描きづらいものだと思うが、清書しないことで、ハードルを下げてアイデアの具現化ができている。
(青芯は消えにくいが、よほどの間違いでなければそのままで、正しい線を濃く描くことで脳は理解する。)
構図も完璧でなくていい。
引き出しが少ないと最初は単調になるかもしれないが、一度描いておけば、その絵をもっと良くする構図に出会ったときに取り入れる予定が立つ。
(構図の候補を隅に描いておくのも良い。これは作品を描くときに複数の案を捻出するサムネイル法(勝手に命名)に通じるものがある)
1ページに2~5個くらい描いている。
全身を描くときもあればバストショット(頭から胸まで)のときもある。
その日の最初の作業に、30分~1時間程度割いている。
これはアニメ私塾の書籍で「絵を描く習慣づくり」に書かれているものがきっかけになっている。
(「30分で1体描く」というのが模写では達成できず、読んでから1年以上宙ぶらりんだったが)
たった30分。たった1体描くだけでよいです。それなら朝一番でも、通勤時間でも、昼休み時間でも、できるかもしれませんね。
大事なのは、絵を描くハードルを限りなく下げることにあります。
室井康雄、アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方 添削解説80点付き、株式会社エクスナレッジ、2019年第1刷発行、ISBN978-4-7678-2695-0、P44より
【2021.9.2 追記】
ネタ切れというか、構図が被るのが嫌で一旦休止。
描きたいものを言語化できるけど、「どのように描くか」が自覚した通り足りてない。
ので、朝はアニメーターのクロッキーの模倣に置き換えて、その描き方を学びつつ構図の引き出しを増やすことにした。
(6) 恥をかき慣れてない
「自分の絵_自信がない」で検索して見つけた記事が、とにかく自分の悩みにドンピシャだったので共有。
人に見せるのは怖い、そのくせ誰かに認めてほしい
(略)絵に自信がなくてプライドでがんじがらめだった頃は、絵が上手い人はあいつもこいつもみんな全部羨ましかったし、敵だった。
(略)「ここが描けてない、下手だからアップしたくない」
(略)自分はどの土俵にも上がっていなかったから、強い人全員に嫉妬しなければならなかった。
お金をもらって仕事で絵を描く経験。嫉妬や卑屈や劣等感が無くなった _ ばしでざ
> 人に見せるのは怖い、そのくせ誰かに認めてほしい
わかる。
>絵に自信がなくてプライドでがんじがらめだった頃は、絵が上手い人はあいつもこいつもみんな全部羨ましかったし、敵だった。
と て も よ く わ か る。
>自分はどの土俵にも上がっていなかったから、強い人全員に嫉妬しなければならなかった。
ホ ン ト そ れ。
恥をかき慣れてないという欠点には心当たりがありすぎる。
完璧主義だとか、アダルトチルドレンだとか、悩みを打ち明けるときに度々言及してきた。
失敗すること・失敗して怒られることや見捨てられることが怖くて、挑戦を避ける生き方をしてきた。
じゃあ、「仕事を請け負って対価を受け取ればいいじゃないか」って。
引用元にもあるように、同じように真似をして助かるとは思えないくらい自信がない。
(自分がOKを出せる絵が描くことがまず大事だと思っているが、「他人に評価されなくてもいい」はプライドが高いのか?)
【2021.9.8 追記】
じゃあどうすればいいのか、という話を避けては通れない。
失敗や他人の評価を怖がっていて、そこに自ら足を踏み入れようなんて、どうしてそんなバカな真似ができるだろうか。防衛本能は正常だ。
「どうすればいいのか」を考え始めたとき、すでに答えが出ていることを思い出した。
「行動できない悩みは、行動することでしか解決しない」
成功するために考えるという行為が無意味だなんて、ひどい話だ。
(ここまで来ると、まるでメンタルヘルスの話だ)
=====追記ここまで
(6-A) プロでもないのにプロ意識(?)が強い
例えば、目の描き方とか髪の描き方とか、誰かの模倣をした結果、つぶしが効かないとか、戻れなくなるのが怖い。
女性だけじゃなく、男性も。「老若男女描けないと絵描きとして未熟なんじゃないか」とか。
人物だけでなく、「どんな背景も描けないと完成度が落ちるんじゃないか」とか。
(?)が付いているのは、これはただの不安であって、実際のプロはそうではないかもしれないから。
恥をかかないように、違和感や欠点のない作品を描こうとしているだけなんじゃないか。
(6-A’) 人にウケる「上手さの水準」を気にしている【2021.9.8 追記】
何度も書いている気がするが、世に出して人に見てもらうためには「これくらいは上手く描かなければならない」という水準が、自分の中にある。
簡単に言うと、目が肥えている。
目は肥えていて、画力追いついていない。
だから上手い人の絵と比較して、何一つとして優れているものがないことを思い知り、自己表現よりも練習に走ることになる。
「絵を描くのが辛い」「何を描けばいいかわからない」という悩みをお持ちで、
なおかつプロを目指している人は
「何でも描けないとプロにはなれない」
「背景がちゃんと描けないとプロになれない」などの強い“否定的な思い込み”を持っています。
プロを目指す人だけでなく、「趣味で描くだけでいい」と思っている人ですら
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「このくらいの(高い)レベルまで描けないと世に公開してはいけない」
と否定的な思い込みを持っていることもしばしばです。
(6-B) 嫌われてもいいのに、認められたい矛盾
商売上手な人は賢い。
自分のブランドを守るために余計なことは言わない。
そういうクリエイターとは違って、俺はデリケートな扱いをされている話題に言及する。
これは自分たちの生活と関係がある政治家やマスコミの非常識な振る舞いのニュースが呆れるほど流されていて黙っていられないからだが。
自分が暮らしている国に関心を持つことを否定されるなら、そんな人には「嫌われてもいい」と思ってる。
なのに、絵に関しては、上手い絵(下手ではない絵)を描こうとしている。
どうして「嫌われてもいい」と思えないのか。
嫌われてもいいと思えれば、完璧を追求をせずに完成・公開する経験が積めるのに。