初めてCPUクーラーを付け替えてみた話

サムネイル:購入したCPUクーラーのパッケージ

今のPCを組んでから1年ちょっとが過ぎました。
CPUクーラーだけは、ずっとIntelのリテール品。

今回、夏場の冷却不足を機に、大きめのCPUクーラーを購入して付け替えてみました。
メモも兼ねて、手順や知識を書いてみます。

どうしてクーラーを換えようと思ったか

この半年でグラボも新調して、ゲーム中のリソースも表示するようになって、CPUの温度に驚きました。

Core i3 6100で最新のゲームタイトルでもないのに、50〜60℃まで上がります。
加えて、小さいファンは高回転で音が目立ちます。
夏場でも部屋にはエアコンがないため、冷却できないのは仕方がないのですが、この状況は落ち着きません。

なので、せめてCPUクーラーを付け替えることで解消しようと思いました。

SkylakeCPUは曲がりやすい設計

これまでなら、CPUクーラーは規格とケースに収まりさえすれば充分でした。

ですが、6000番台であるSkylake CPUは、従来のシリーズよりも基盤が薄くなっています。
(結果的には)ごく一部ですが、大型CPUクーラーの重量が原因でCPUが破損する事例がありました。
【参考】
Skylakeはクーラー重量やネジ締め過ぎで基板が曲がる – BTOパソコン.jp
「もし壊れたら……」と、クーラーの取り換えには悩みました。
ただ、ずっと悩み続けるのも苦しいので、「壊れたらそのとき考える」と最寄りの(30km先の)PCショップに足を運びました。

ちょうど良い高さのIZUNA

今回購入したのは、虎徹で有名なサイズ社の「IZUNA」です(Fig1)。
【公式】
株式会社サイズ | 商品詳細 |IZUNA
そりゃあ有名な虎徹でも良かったのですが、両者の違いを比べてみるとIZUNAの方が合っていました。

現在、虎徹は後継の「Mark II」が主流になっています。
よって、以下「虎徹 Mark II」を虎徹と表記します。

今のケースでは、高さは虎徹の15.4センチがギリギリというところ。
対して、IZUNAは14.5センチです。

また、Skylake CPU問題を極力回避するには、クーラーが軽い方が助かります。
虎徹が645グラムに対して、IZUNAは590グラム。

また、どちらもプッシュピンタイプで、ネジを締めすぎる可能性のあるバックプレート方式とは異なります。

重視したのはクーラーの大きさですね。
基盤が歪曲する具体的な重さがわからないのですが、そもそもケースに納まってくれないと困るので、小さい方にしました。

オフセット構造で、メモリとの干渉を避ける造りもグッド。

Fig1.IZUNAのパッケージ
Fig1.IZUNAのパッケージ

交換手順

リテールクーラーを外す

電源を切って放電させたあとに、リテールクーラーを外していきます(Fig2)。
プッシュピンタイプは外すのが楽でいいです。

グリスはティッシュでも拭き取れますが、もうちょっと綺麗にしたいなら、アルコールを含んだウェットティッシュがおすすめ(Fig3)。

Fig2.リテールクーラーを設置した状態
Fig2.リテールクーラーを設置した状態
Fig3.取り外したリテールクーラー
Fig3.取り外したリテールクーラー

IZUNAを開封

机が狭いですが、パッケージの中身を確認します。
実物を目にすると、やはり大きい。
しかも層になった放熱フィンがなかなか鋭利。
こりゃあ「手が血まみれになる」ってのも納得がいく(Fig4)。

Fig4.PCケースとIZUNAとの高さの比較
Fig4.PCケースとIZUNAとの高さの比較

グリスを塗り直す

IZUNAに付属しているグリスを塗っていきます。
米粒大とはいうけれど、ここは二粒くらい。
袋に入っているグリスだと粒にはならず、「ぐちゃあ……」と伸びてしまった。

本体を取り付ける

いよいよ、クーラーを取り付けます。
プッシュピンタイプなのですが、押し込んだときに音がしない。
空中だと「カチン」というのですが、取り付けようとすると静かなまま。
取り付けられたのかわからず、何度か付けたり外したり繰り返しました。

まぁ、前後左右に力を入れてみても動かないので、固定できたと見ていいでしょう。

そして、後ろ(リア)側が狭くなり、手に切り傷が。
なるほど、これはたしかに凶器だ。

12センチファンを取り付ける

忘れずにファンを取り付けます。
針金をファンに取り付けて、フィンに引っ掛けます(Fig5)。
引っ掛けるために、力をかけて針金を引っ張る必要がありました。

Fig5.取り付けたIZUNAの様子
Fig5.取り付けたIZUNAの様子

風力でいえば、余っていたENERMAX社のMAGUMAの方が強いのですが、マザーボードと接続するピンに違いがあります。
多くのケースファンは3ピン、CPUクーラーのファンは4ピンになっています。
これは、4つめの端子がファンの回転数を制御する機構を持っているからです。
温度に応じてファンの回転速度を上げたり下げたりすることができるんですね。

常に全力でファンが回転するのもうるさいので、やはり付属のものを使いました。

動作確認

いざ取り付けてみると、IZUNAでよかったと思います。
今のケースでは、虎徹では収まりきらなかったでしょう。

ケースを立てて見ると、クーラーの存在感がすごい。
これは冷却が期待できそうです。

電源を入れてみると、ファンはちゃんと回転。
動作確認として、BIOSがファンの回転数を取得できていればOK。

何も設定することなく、BIOSはファンの回転数を表示していました。

肝心のゲームですが、エアコンのない部屋ということもあり、PSO2は50〜60℃まで上がっていました。
これがIZUNAのおかげで、おおよそ33℃前後。
エフェクトが重い状況でも45℃くらいで踏ん張ってくれました。
エアコンなしでも室温とCPU温度がほとんど変わらないので、この冷却性能には驚きです。

あとがき

冷却性能は申し分なく、初めてのCPUクーラー交換も問題なく終わりました。
PCを組むこと自体は7,8年前には経験していましたが、CPUクーラーはずっとリテールのままだったので、成功と言えるでしょう。
Skylakeの基盤の薄さも、今のところ正常です。

天井のケースファンが掃除しづらくなったところだけが反省点でしょうか(Fig6)。
次はそのあたりも考慮してパーツを選びたいですね。

Fig6.ケースを直立させた状態のCPUクーラーまわり
Fig6.ケースを直立させた状態のCPUクーラーまわり