(3) お釣りの千円が足りないことを指摘できなかった話

サムネイル:電卓と小銭

2017年の12月。
自分の弱さを実感する出来事がありました。
1ヶ月ほどで落ち着いたのですが、なかなか文章にできず、半年経った今、こうして書いています。

何があったか

私は、2ヶ月に一度のペースで歯科に通っています。
悪くなってから渋々行くより、予防した方が楽だと思いましたから。
去年の12月は、そういった考えに切り替えた最初の予約日でした。

それが起こったのは、帰りの支払いのときでした。
お釣りが、千円札が1枚足りなかったのです。

1,440円の治療費に対して、5,540円出しました。
このとき、頭の中では4千円のお釣りを計算してました。

ところが、目の前に出されたのは3,100円。
千円札が3枚。

その瞬間に、頭はパニックになりました。

「お釣りは確か、4千円のハズ」
「間違ってるけど、どうしたらいい? 言っていいの?」
「けど、自分が間違ってたら? 恥をかくことになる」
「いや、でも計算より足りないじゃん」
「間違ってるけど、俺がそれを言っていいの? でも自分のことだし……」(ここでループ状態)

頭の中がいっぱいで、1秒がとても遅くなるような感覚になりました。

そして、何も言えないまま、私は受付を後にしました。
お釣りの間違いを、指摘できなかったのです。
ただ一言、「間違ってますよ」と言えればよかったのに、それすらできなかった。
 

損をする性格

外に出た時点で、とても後悔していました。
指摘できなかったことも、正常な判断ができなかった自分に対しても。

そのときには、お釣りの間違いは確証に変わっていました。
自分は、何も間違っていないと。

ですが、諦めざるを得ませんでした。
コンビニのレシートと違って、「治療費はいくら」という領収はあっても、「自分がいくら払ったか」という証明ができないからです。
そんな状態で受付に戻っても、逆にこっちが疑われる可能性がありました。
そうなれば、通うことはもっと難しくなったでしょう。

私は、唯一のチャンスを逃したのです。
 

さいごに

お釣りの間違いを指摘できるものなのか、帰宅してから調べました。
少ない情報の中で、ほとんどは小銭レベルの間違いの話でした。
店側の対応は、「店長による」とか、「本来の数字より多くても少なくても大問題」とか。
まぁ、歯科だし、個人の病院なのでそういうこともないんだろう。

お金を使うことが怖い自分にとって、千円は大金です。
こういったつらい出来事が、「自分は弱い」「こんな自分じゃ生きていけない」という考えを、より強化していきます。

あのとき、せめてお釣りが表示されるレジがあれば、自信のなさから戸惑うこともなかったかもしれません。
落ち着いた(諦めた)今となっては、人生の授業料だと思うしかないです。

(2ヶ月後にまた行きましたが、当然ながら、何もありませんでした。他人に期待してはいけない。)

追伸:この記事は、書くと決めてから、その日の内に投稿できました。完璧主義から、完了主義へ。