体験から語る「生きづらさ」の原因と影響(入門編) | 内向型人間の知恵ブログ

体験から語る「生きづらさ」の原因と影響(入門編)

サムネイル:転がった電球
[!]心の病をまとめた特設ページは、用意でき次第ここに案内を掲載する予定です。

心の病について、ブログで発信しようと決めてから6年。
ようやくこのときが来ました。

第一弾として、「漠然とした生きづらさの正体」を体験から紹介したいと思います。
生きづらさの例と、それが形になった【うつ】、そして今の私を形作った2つの概念について。
そしていくつか、様々な悩みと関係する固有名詞を載せています。

ヒントを求めて訪れる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、最初は広く、浅くカバーする感じで。
(人によっては「長いな」と思うかも)
(また、答えを求める完璧主義タイプの人には物足りないかもしれません)
後にそれぞれの事柄について、掘り下げて扱いたいと思います。

NOTE:読み進める前に。体験を語る上で、あなたの思い出が反応してしまう可能性があります。
もし途中で気分が悪くなったときは、無理をせずにページを閉じても大丈夫です。
NOTE: 私は専門家ではありません。素人よりかは詳しい経験者どまりです。
心の不調に心当たりがある場合は、専門家を頼ることも選択肢に入れてみてください。

私にとっての生きづらさ

「生きづらさ」というものは、長いトンネルのようなものです。
暗い場所で、光もなく、先が見えない。
進んでいるかもしれないけど、進んでいないかもしれない。
そもそも出口なんてないんじゃないかと、不安になります。

とにかく【今、この瞬間】がつらい。

「生きていくのがこんなに苦しいなら、死んだ方がラクだ」
何度もこう思いました。

生きづらさの例

もう少し具体的に、つらくなる理由を挙げてみます。
居場所がない
守ってくれる人がいない
社会から理解されない(孤立)
将来に希望が持てない

ホント、無い無いづくしで大変です。
(「誰にでも悩みはある」なんて言う人がいますけど、それは元気な人の言葉です。
事実だけど、経験者ならそれだけで切り捨てたりしません。)

……

私の場合、父親が恐怖の象徴なので家を捨てました。
自立できていないので住民票はそのままですが、恐怖で支配されていたので、会ったり話したりしたくありません。
保険など、ほぼすべて惰性でそのままです。

家のゴタゴタがあって就活よりも卒業を優先した結果、無職(ニート)状態に。
失敗した結果が乏しいため、「仕事の失敗=死」と重く考え、就職もバイトも論外。
もちろん、社会はそんな経緯も影響も知らんぷり。
(人手不足を解消する気があるのか)

経歴も実力も才能もないため、誰も味方になってくれません。
「自分は何もできない人間だ」と自分で自分を攻撃し始めます。
「自分いじめ」です。

そんな自分だから、結婚どころか恋愛すら諦めます。
なにせ収入がありませんから。
「こんな自分を受け入れてくれる女性なんていない」
男の人生にトドメの一撃です。

そうして、元気がなくなり、なくなるどころかマイナス値になります。
目に見えないからといって、軽視してはいけません。>社会

……

心の病は、自律神経失調症など、体にまで影響を及ぼします
そうして、アイツがやってきました。
【うつ】です。

うつと、うつの後ろに潜むもの

うつ病は、とても存在感のある病気です。
名前だけみれば、誰もが耳にしたことがある現代病でしょう。
体は健康なのに、人を動けなくする。
とんでもない病です。

落ち込んで、気分が悪い・調子が出ないという状態は、長く続きました(2011年〜)。

最近でもそういうときがあります。
ただ、心の病ははっきりと線引きすることが難しいので、「死にたいと思うかどうか」が指標になると思っています。

本当にひどいときは、以下のような感じでした。
1)毎日、日記に「死にたい」「なんで生きてるんだ」「生まれてこなければよかった」と書く
2)まともに立っていられない。歩けない。一日を寝て過ごす(これを3日間)。
他にも、眠れずに落ち込み続けたり、落ち着かなくて布団やタンスを殴ったり……。

うつは、普段とはちがった気分の低下があれば、2週間程度で病院で診てもらった方がいいとされています。
私は、それを知った時には2年が経過していました。

私は精神科・心療内科よりもカウンセリングを頼ったため、医者の診断ではなく自己申告ですが、「これがうつ病じゃなかったら、何がうつ病なんだ」と思ってます。

……

カウンセリングや認知行動療法を経て、2014年頃には一旦、日記に「死にたい」もろもろを書かなくなりました。
なのに、私の不安は消えませんでした。

……おかしい。
「うつは治った。でも、不安が消えない」
「怖いことが、怖いままだ」

そして、私は衝撃の事実を知ることになります。

うつは、「すでにある悩みや問題で起こる【二次的なものに過ぎない】」ということ。

うつは有名だし、だいたいどんなものかも知れ渡ってる。
なのに、治しても自分を取り戻せないなんて。

生まれつきの特徴と育った環境について知る

私はインターネットのおかげでその理由を、うつの原因と向き合うことになります。
それが、次の二つの項……【内向型人間】と【アダルトチルドレン】です。

外向型の社会と内向型人間の摩擦

挿絵:書籍「内向型人間の時代」

自身の症状をキーワードに検索を続けていた私は、「HSP」という概念を知りました(2013年)。
意味は、【敏感な人】(Highly Sensitive Person)ということ。
視覚、聴覚など五感が敏感であったり、心が繊細という特徴があります。

「突然のクラクションのような大きい音が苦手」という悩みから、この繊細さにたどり着きました。

内向型の特徴がHSPと似ているという情報から、書籍「内向型人間の時代」を購入。
(書籍中で、HSPに言及する章があります)
内向型・外向型の特徴を知る中で、社会は完璧でないことを見抜きます。

「内向型はめっちゃ頭を使っているのに、表面的にはそれが伝わらないものだから誤解される」とか。
「明るく振る舞うことが人間的に素晴らしいと、社会が信じている」とか。

そもそも表舞台にいるのが外向型ばかりなんだから、そんな社会で内向型が生きづらいのは当然のこと。
(そうも知らずに企業は、人事は、「コミュニケーション能力ガー」「人手不足ガー」「イノベーションガー」と言っている)

内向型である自分が、自身を理解し、どのように外向型と付き合うか。
正体不明の悩みを解き明かした「内向型人間の時代」は、私を救ってくれた生涯のバイブルです。

【外部リンク】
The Highly Sensitive Person

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力 _ スーザン・ケイン, 古草 秀子 _本 _ 通販 _ Amazon

アダルトチルドレンと精神的虐待

挿絵:書籍「アダルトチルドレンと癒やし」

「突然のクラクションのような大きい音が苦手」という悩みには、「無関係でも自分が悪いように感じる」という続きがあります。
まったくの無関係で、歩道を歩いているだけなのに、他所の車のクラクションが「自分のせい」だと思ってしまう時期がありました。

それが、【アダルトチルドレン】という概念を知ったきっかけです(2013年)。
(以前は「アルコール依存症の家庭で育った人」という概念でした)

「大きい声がダメ」
→「年や立場が自分より上の人が苦手」
→「怒られるのが怖い」
→「失敗したくない」
→「自分に対する評価を下げられたくない」

これらのつながりのある悩みは、育った環境によるものでした。

親がしつけや愛情だと思い込んでいる行為は、子供にとって虐待になり得ます。
(直近の #小4女児虐待死亡事件 など。親はしつけだと主張している)
(生き残れた子供が、このような親のことを「毒親」と呼ぶようになりました)
(このような毒親が仕切る不適切な家庭を「機能不全家族」ともいいます)

身体的虐待は、叩く・殴るなど、物理的な暴力を加えるもの。
精神的虐待は、言葉でののしる・脅すなど、不安や恐怖を与えるもの。
性的虐待は、立場が上の人間がその力を利用して、性的行為を強要するもの。
(すべては心の傷に行き着くだろうけど、虐待はこのように分類されている。)

……

私は、直接殴られるようなことはありませんでしたが……母が叩かれたり、殴られたり、家から追い出されたりするところを見ていました(それはカルト宗教が原因だったけれど)。

私に向けられたものでなくても、罵声や、投げられた茶碗が割れる音など、耳に刺さりました。
(人生の一番古い記憶は、4歳か5歳の頃、茶碗が床に叩きつけられて割れる光景です)

自分がひどい目にあわないように、顔色を伺い、必要なことだけ行い、言うことを聞いて生きてきました。
失敗しないために挑戦を避けるようになり、未熟な自分を他人と比較してしまい、劣等感に苛(さいな)まれるようになりました。

学校生活は、このような「歪んだ状態」に気づきにくくなります。
与えられる授業や課題をこなし、ルールを守っていれば「良い子」なので、「自分の力で生きていく」能力が未熟なままになります。
心の傷が、大人になっても「生きづらさ」となって残り続ける……。これが、アダルトチルドレンです。

……

アダルトチルドレンは【病気だと認められていない】ため、医者の診断が出るものではありません。
謝られても治るものではなく、心の傷を、自分自身で癒やす必要があります。

インターネット上では、理解のある人がブログで知識を共有したりできていますが、現実社会ではあまり認知されていません。

「アダルトチルドレンに無関係な人はいない」というのが、私の主張です。
アダルトチルドレンは連鎖します。
生き残れても、アダルトチルドレンである・心に傷があることを自覚できないと、自分が親からされたことを、自身の子供にやり返します

児童虐待は、その事件だけが注目されがちですが、「親が育った環境に問題があった」ということは語られません。
(直近の話題ですが、 #福岡市 の保育園で虐待行為が行われていたことが明らかになりました。加害者になるのは、必ずしも親とは限りません。)

こうして私がインターネット上で公開するのは、より良い社会にするために、社会が知らないことを知ってほしいからです。

その他

心の病に関係する悩みは、これ以上に広いものです。
ですが、名前がわかれば対処ができるのも、また事実。
その一部を紹介してみますので、気になった固有名詞を検索のキーワードにして調べてみるのもいいでしょう。

完璧主義

他者の行動をコントロールしたがる認識が広がっていますが、他者にはわからない悩みがあります。
何かをするとき、「できそうだ」と道筋がイメージできないと行動に移せません。
また、物事の質・クオリティを高めようと細部にまでこだわり、相当な時間を浪費します。

創作・クリエイティブにおいては致命的であり、私は該当しています。
できないこと・向いていないことを他者に頼ることができず、それらを抱えることでさらに疲弊します。

学習性無力感

やりたいことはあっても、「自分にはできそうにない」と思ってしまいます。
この無力感は長年の経験によって染み付いたもので、「挑戦の最初の壁」ではありません。

失敗しても立ち上がり、また挑戦することが理想的な成長のスパイラルです。
(【できるかもという自信】が、【失敗するかもという不安】を上回る。)

ですが、失敗がフォローされず、成功体験を積むことができないと、挑戦から遠ざかる負のスパイラルになります。
小さな成功体験を積み上げることがカギですが、私はまだ全然です。

犬を用いた実験で、「脳が無理だと学習してしまうと、逃げられるのに逃げない」ことが明らかになっています。
【外部リンク】
学習性無力感 – Wikipedia

大人の発達障害

「学校生活を終え、社会と関わるようになってから気づく」という点が重要。
衝動性など、大人になったからといって【自然と解消されたりしない】。
授業も受けられるし、問題も解ける、学校生活を送れることで自覚しづらい。

「電話が苦手」「向いていない仕事がある」など、社会不安障害や内向型の特徴と共通点もある。
私の場合、自己申告だが、多動性とは真逆。
(自閉症の傾向アリ)

国語の教科書のような「改行しない文章」が読みづらい。
ケータイキャリアのパンフレットの隅に書いてある注書きとか。

このブログで一文ずつ改行してあるのは、これが理由。

燃え尽き症候群

頑張っても、望んだ成果が得られなかったときに生じるストレスや徒労感など。
受験の場合、「その大学が自身の望みかどうか」だったり、「もうあんなに頑張りたくない」というストレスかも。

完璧主義と合わさって、労力や時間を費やすんだけど、見返りが得られずに気力が落ちていく。
心の病がひどい状態だと、人生・日常生活に余裕がないため「やらなきゃいけない」と「でもできない」という気持ちのギャップが大きくなりやすい。

さいごに

私自身のルーツをたどるには、アダルトチルドレンと内向型・外向型について知ることが一番効果が大きかったと思っています。
実際、原因がわかったことで納得できた分、心はスッキリしました。 

心の病・精神疾患では、よく「原因探しはしない方がいい」といいます。
原因を探すことよりも、物事の受け止め方(認知)を改善する方が、本来の自分を取り戻すことにつながるからでしょう。
(そもそも、医者はあなたの体験を「聴いて、想像すること」がどうしても限界なのです)

ですが、ここに挙げたように、「固有名詞のある概念を知った」今ならどうでしょう。
名前がわかれば、調べられます。
調べられれば、原因と対処法が得られます。
根拠もないまま、自分を責め続ける必要はありません。

この体験談が、誰かの役に立てば幸いです。

問題をきちんと述べられれば、半分は解決したようなものだ。

チャールズ・ケタリング – Wikipedia